縁の種
先日、友達と三人で遊びに行った。
服屋をあちこちと巡り、試着をし、悩んで選んで買って……そうやって何件も回った。
二人が行ってみたいと言ってくれたので、ゴシックやロリータのショップにも行ったし、買い物もさせてもらった。

そのあと、歩き疲れたおれの提案で駅地下のカフェでお茶をした。
会話が弾み、何時間も喋って、そろそろ帰ろうかというときに、ひとりのご婦人に声をかけられた。

「あなたもゴシックロリータファッションを着はるのね」

びっくりした。
声をかけられたことにもびっくりしたが、おそらく自分の母より年上だろう女郎にゴスロリのことで声をかけられたのが一番びっくりした。
ちなみに、この日はゴスロリファッションに関して声をかけられたのは三度目であった。

「ええ、こういうのが好きなもので」
「よかったら立ってお洋服見せてくれはる?」
「ええ、構いませんよ」

その日は黒のブラウスに黒&グレーストライプのコルセットスカート、黒レースのヘッドドレスにコサージュをつけた出で立ちだった。
その格好をご婦人は「派手でなくていいですね」と褒めてくださった。
しかし、自分の頭のなかは声をかけられたことの吃驚が頭を占めていて、言葉が出てこなかった。

「お母様のような齢の方にゴシックロリータのことで声をかけられたのは初めてなのでびっくりしました」

そう言うと、ご婦人は「こないだ『おばあさん』って言われた」と笑いながら「じつは、先月そういうイベントに行ってきたところでね」と返してきた。

「ではまた何処かでお会いする機会もあるかもしれませんね」

そう笑いあって、「それでは」とお別れした。



つい先週も「一期一会」という言葉を噛みしめたばかりだが、今回もその言葉を噛みしめるとともに、温かい心地に包まれた。
こういった出逢いのひとつひとつを大切にしていきたい。
あのご婦人とまた、どこかで出逢えますように。
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