20分ライティング #33
「冬至の七草とは「ん」がふたつ付く七種類の食べ物を指し、運を呼び込めると言われています……ほうほう、なるほど」

親父とミナリさんのお店へ食事に出かけたら、今日は冬至ということで冬至懐石なる特別メニューができていた。
この人のイベント好き、そして企画をすぐ実行に移す身軽さは、見習わねばなといつも思う。

「んで、今回は冬至の七草を満喫できるコースになってるのね」
「そうえ。柚子も付くからお得やで」
「あいかわらず商売うまいな、姉さんは」

笑いながら、もぐもぐと煮物を頬張る。
南京も蓮根も人参もたくさん入っていて、野菜好きにはたまらない逸品である。

「うちかてお客さんとの日々の会話からちゃーんと勉強してるんえ」

そう言って、ミナリさんはえっへんと胸を張る。

「前に『こんなに喰われへんわー』って言うたお客さんがおりはって、コースより量少なめの定食メニュー作ったら、それがえらい好評でなぁ」
「わしもそんな喰われへんときあるから、少なめメニューあると助かるよ」
「お昼ごはんに食べに来たいわぁって言うてもろたり。量少ないって意外と需要あるんねぇ」

安くてたっぷり喰えるのが一番良さそうではあるが、喰いきれないよりは足りないほうが、個人的には良い。
少食にはありがたいメニューである。

「お昼はやりはらへんのですか?」
「お昼は仕込みとかあるしねぇ。たまにはええけど」
「あーなるほどな」
「はい、デザートどす」
「おおおおおおお、なんかすごいの来たこれ!」

こうして、今日も夜が更けていく。
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